その条例の根拠は何か。

 建築基準法に基づく条例なのか、それとも、建築基準法とは無関係の条例なのか。まず、これを役所の建築指導課で確認しましょう。

 話はそれからだ!



建築基準法では、地方自治体が決めて良い条例の範囲を以下の様に定めています。

建築基準法に基づく条例を制定しても良いのはこの範囲だけなのです。
この枠外で何か条例を作ったとしても、役所がそれを根拠に建築基準法の手続きに影響を及ぼす事はできません。


建築基準法(地方公共団体の条例による制限の附加)
第四十条 地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模に因り、この章の規定又はこれに基く命令の規定のみによつては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる


 ちなみに、駐車場の附置義務については駐車場法に条例で定めて良い「区域」の基準が定められており、
緑地については緑地法に、
開発行為については都市計画法で「地方自治体」の条例制定範囲を定めています。
兎にも角にも実務に携わるものは、建築基準関連規定の条文と、市町村条例の条文を精読する事。
これをしなければ、建築主の思いに応えることは出来ません。
市町村条例が、その規則を市民に強要したら違法となるという根拠として駐車場法の条文を抜粋しておきます。
これを読んでおかしいと気付いたら、全ての条文を読み直しましょう。

駐車場法(駐車場整備地区)
第三条 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号の商業地域(以下「商業地域」という。)、同号の近隣商業地域(以下「近隣商業地域」という。)、同号の第一種住居地域、同号の第二種住居地域、同号の準住居地域若しくは同号の準工業地域同号の第一種住居地域、同号の第二種住居地域、同号の準住居地域又は同号の準工業地域にあつては、同項第二号の特別用途地区で政令で定めるものの区域内に限る。内において自動車交通が著しくふくそうする地区又は当該地区の周辺の地域内において自動車交通が著しくふくそうする地区で、道路の効用を保持し、円滑な道路交通を確保する必要があると認められる区域については、都市計画に駐車場整備地区を定めることができる。

駐車場法第五章 建築物における駐車施設の附置及び管理
(建築物の新築又は増築の場合の駐車施設の附置)
第二十条 地方公共団体は、駐車場整備地区内又は商業地域内若しくは近隣商業地域内において、延べ面積が二千平方メートル以上で条例で定める規模以上の建築物を新築し、延べ面積が当該規模以上の建築物について増築をし、又は建築物の延べ面積が当該規模以上となる増築をしようとする者に対し、条例で、その建築物又はその建築物の敷地内に自動車の駐車のための施設以下「駐車施設」という。)を設けなければならない旨を定めることができる。劇場、百貨店、事務所その他の自動車の駐車需要を生じさせる程度の大きい用途で政令で定めるもの以下「特定用途」という。に供する部分のある建築物で特定用途に供する部分以下「特定部分」という。の延べ面積が当該駐車場整備地区内又は商業地域内若しくは近隣商業地域内の道路及び自動車交通の状況を勘案して条例で定める規模以上のものを新築し、特定部分の延べ面積が当該規模以上の建築物について特定用途に係る増築をし、又は建築物の特定部分の延べ面積が当該規模以上となる増築をしようとする者に対しては、当該新築又は増築後の当該建築物の延べ面積が二千平方メートル未満である場合においても、同様とする。
2 地方公共団体は、駐車場整備地区若しくは商業地域若しくは近隣商業地域の周辺の都市計画区域内の地域(以下「周辺地域」という。)内で条例で定める地区内、又は周辺地域、駐車場整備地区並びに商業地域及び近隣商業地域以外の都市計画区域内の地域であつて自動車交通の状況が周辺地域に準ずる地域内若しくは自動車交通がふくそうすることが予想される地域内で条例で定める地区内において、特定部分の延べ面積が二千平方メートル以上で条例で定める規模以上の建築物を新築し、特定部分の延べ面積が当該規模以上の建築物について特定用途に係る増築をし、又は建築物の特定部分の延べ面積が当該規模以上となる増築をしようとする者に対し、条例で、その建築物又はその建築物の敷地内に駐車施設を設けなければならない旨を定めることができる。
3 前二項の延べ面積の算定については、同一敷地内の二以上の建築物で用途上不可分であるものは、これを一の建築物とみなす。